皮膚内活性酸素産生に及ぼすマグネシウムの影響

細胞活性の維持・活性化にいい!皮膚内活性酸素産生に及ぼすマグネシウムの影響

 皮膚内活性酸素産生に及ぼすマグネシウムの影響を赤穂化成株式会社が調べ、その結果が第4回日本抗加齢医学会で発表されました。
 近年、オゾン層の破壊に伴って紫外線の照射量が増加し、紫外線の皮膚に及ぼす影響が問題視されています。皮膚に紫外線が照射されると、皮膚内で活性酸素が産生され、皮膚組織が老化する要因の一つと考えられています。
研究では、海洋深層水に含まれるミネラル、その中でも特にマグネシウム(Mg)の皮膚内活性酸素産生に及ぼす影響について調べられています。
 検査は、6週齢の雌性へアレスマウスの腹部に6種の試料を塗布し、微弱光測定装置を用いて皮膚内活性酸素産生量を測定。試料には、①蒸留水、②0.01、0.1、1w/w%Mg試薬水溶液、③0.05、0.1w/w%のMg含有化粧品(Mg 0.05%: 室戸海洋深層水ローション、Mg 0.1%: 死海のにがり ローション)を用いられました。
 その結果、試料それぞれ蒸留水塗布群に比べて、発光量はMg溶液、Mg含有化粧品で低下しました。また、これらの発光量は、塗布したMg濃度の上昇に伴い低下しています。これにより、Mgの塗布が皮膚内活性酸素産生を抑制することが確認できました。

【研究概要】

■研究員

 端口佳宏、太井秀行、福田隆雄、魚住嘉伸(赤穂化成株式会社技術開発部)
 桜井弘、安井裕之(京都薬科大学代謝分析学教室)

■研究内容

 テーマ 皮膚内活性酸素産生に及ぼすマグネシウムの影響
 研究時期 2001年10月~ 
 サンプル 6週齢の雌性へアレスマウス 各群6匹
 使用試料 ①蒸留水
   ②0.01、0.1、1%のMg溶液試薬で調製
   ③0.05、0.1%のMg含有化粧品(下記2種類)
  Mg 0.05%: 室戸海洋深層水ローション
  Mg 0.1%: 死海のにがり ローション

■方法

 へアレスマウスの腹部に、各試料100μLを5cm2の腹部皮膚に塗布し90分間作用させた後、除去した。UVA(100mW/cm2×3min)を右腹部に照射した。照射後すぐに200μM  CLAを10μL塗布し、化学発光量を微弱光測定装置Night OWL Molecular Light Imager (Night OWL)により測定しました。

■検査結果

 UVA照射部位の発光量は、①と比較して②及び③で有意に低下しました。UVA非照射部位の発光量は、①と比較して0.01%Mg溶液を除く②で有意に低く、③で低下する傾向が見られました。また、これらの発光量は塗布したMg濃度の上昇に伴い低下する傾向が見られました。
 以上の結果から、Mgが皮膚内活性酸素の産生を抑制することが示唆されたため、皮膚の老化などに対する有用性が期待されます。

注釈
UVA......紫外線A波。UVAは地上到達量がUVBの10倍あり、また波長がUVBより長く、皮膚の深くまで侵入する。

CLA......2-メチル-6-フェニル-3,7-ジヒドロイミダゾ-[1,2-α]ピラジン-3-オン (Cypridinal Luciferin Analog )。活性酸素種と反応して化学発光を生じる試薬。

□資料提供:赤穂化成株式会社
・発表日:2004年6月12日
・発表会名:第4回日本抗加齢医学会
・発表者:赤穂化成株式会社

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