どんなものに活用されてるの?海藻の培養
海洋深層水は、従来難しいとされていたワカメなどの大型藻類の培養技術も可能にしています。海洋深層水のもつ低温安定性は、水温が高くなる夏場でも、培養生物への影響を最小限にとどめることができるからです。
例えば、深層水を用いたことでアオノリが海面の養殖より2~5倍の速さで生産されたり、暖かい海では育成できなかったマコンブが海洋深層水の陸上水槽で正常に生育できるなどの成果を得ています。特に、海洋深層水で培養したマコンブは、海洋表層水で培養したものよりも、タンパク質が2.5倍に増加。旨味成分であるグルタミン酸やアルギン酸の比率が多いという結果も報告されました。
この技術を活用することによって、人間の体に有益な成分を含んでいる海藻を早く、安定的に育てることができます。将来、光や温度などを最適に制御した海藻培養工場などで、需要の高い海洋生物を大量養殖することもできるでしょう。