関節リウマチに対するマグネシウムの発症抑制効果について アジュバンド誘発関節炎ラットにおけるインドメタシン誘起消化管障害とマグネシウムイオンによる抑制効果

リウマチ予防?関節リウマチに対するマグネシウムの発症抑制効果について アジュバンド誘発関節炎ラットにおけるインドメタシン誘起消化管障害とマグネシウムイオンによる抑制効果


 関節リウマチに対するマグネシウムの発症抑制効果についての研究成果が、赤穂化成株式会社と近畿大学薬学部により第125年会 日本薬学会で発表されました。
 「関節リウマチ」は関節に起こる炎症です。従来はステロイド剤の投与が一般的でしたが、長期投与の際に副作用があることから、近年では非ステロイド系の医薬品が使用されています。しかし、これも胃潰瘍を高い確率で発現するために問題視されています。
 このような中、最近、マグネシウムイオン(Mg2+)を高濃度含有する"にがり水"が種々の炎症反応に対し抑制作用を示すことが報告されています。そこで今回、関節リウマチの動物モデルであるアジュバント誘発関節炎(AA)ラットを用い、インドメタシンによる誘起消化管障害とこれに対するマグネシウムイオン投与による発症抑制効果について検討されました。
 検査はAAラットに対して精製水(PW)及びマグネシウムイオンを含む室戸海洋深層水100%の"にがり水"(高ミネラル水) [200,400,600mg/Lの3種類]を自由に摂取させ、足浮腫の程度及び胃粘膜損傷度を測定。その結果、室戸海洋深層水100%の"にがり水"を与えたグループは精製水を与えたグループと比較して足浮腫の抑制が認められ、また胃粘膜損傷度も低値であることが確認できました。
この結果、マグネシウムイオンの摂取はAAラットにおける足浮腫発症抑制及びインドメタシン誘起消化管障害に対する保護効果があることが分かりました。

[アジュバンド誘発関節炎ラットにおけるインドメタシン誘起消化管障害とマグネシウムイオンによる抑制効果]

■研究員

長井紀章・池堂知章・伊藤吉將(近畿大学 薬学部)
太井秀行・端口佳宏・魚住嘉伸・中川光司(赤穂化成 技術開発部)

■目的

関節リウマチの動物モデルであるアジュバント誘発関節炎(AA)ラットの足浮腫に対するマグネシウムイオン(Mg2+)投与による抑制効果
AAラットに対するインドメタシン投与による誘起消化管障害とこれに対するMg2+投与による抑制効果

■検査方法

・  期間・・・・2004年4月~2005年2月
AAラットはMycobacterium butyriumの油性懸濁液をDark Agoutiラットの右足踵及び尾部に投与することで作製。
精製水(PW)及びマグネシウムイオン(200,400,600mg/L)を含む"にがり水"はアジュバント投与(AJ)7日前から実験終了時まで自由に摂取させた。
関節炎の進展を表す足浮腫は足容積の増加量(mL)で示した。
胃粘膜損傷度(スコア)はコンピュータ画像解析により数値化した。

■研究結果

 精製水を与えたAAラットの足浮腫は左右ともにAJ後14日で最大に達し、それ以後は漸次縮小した。一方、室戸海洋深層水100%の"にがり水"飲水群では「精製水」飲水群と比較しAJ14日目の足浮腫の抑制が認められ、とくに"にがり水"(600mg/L)飲水群において最大の効果が認められた。
 インドメタシンによる胃粘膜損傷は正常ラットに比べAAラットで有意に増悪が認められた。「精製水」飲水群ではAJ14日目で胃粘膜損傷スコアは最大に達したが、"にがり水"(600mg/L)飲水群のスコアは低値であった。
 これらの結果からMg2+にはAAラットにおける足浮腫発症抑制及びインドメタシン消化管障害に対する保護効果があることが判明した。

■まとめ

 Mg2+を含む室戸海洋深層水100%の"にがり水"を飲水させたAAラット群は、精製水飲水群と比較し、足浮腫に対して抑制効果が認められた。
 Mg2+を含む室戸海洋深層水100%の"にがり水"を飲水させたAAラット群は、精製水飲水群と比較し、インドメタシン投与による胃粘膜障害に対して抑制効果が認められた。

【関係資料】

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 インドメタシンによる誘起消化管障害した
AAラットに対するマグネシウムイオン(600ml/L)を含む
室戸海洋深層水100%の"にがり水"(高ミネラル水)の抑制効果

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□資料提供:赤穂化成株式会社
・発表日:2005年3月29〜31日
・発表会名:第125年会 日本薬学会
・発表者:赤穂化成株式会社

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