赤穂化成株式会社と高知大学医学部との共同研究で、室戸海洋深層水より調製した高ミネラル水が、ヘリコバクター・ピロリ菌感染者(ヒト)の生体内でピロリ菌抑制に作用することが第15回カンピロバクター、ヘリコバクター及び関連生物国際学会(正式名称:15th International Workshop on Campylobactor, Helicobacter and Related Organisms, 2009年9月3日)で発表されました。
ヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)は、ヒトの胃内に持続感染する菌で、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの要因となり、更に自己免疫疾患など近年様々な疾患に関与していることが明らかにされています。日本人のピロリ菌感染率(成人で約50%)は世界の先進国の中では非常に高く、また現代医学における除菌治療では耐性菌の出現や薬の副作用などによる不成功例が依然としてみられるため、ここ数年ピロリ菌の活動を抑制する飲食料品に注目が集まっています。報告では今回初めて、ピロリ菌感染者(ヒト)を対象に、海洋深層水を脱塩・調製した5種類の高ミネラル水の飲用が生体内に及ぼす影響を検証されたようです。
【発表概要】
■演題名:
調製海洋深層水のヘリコバクター・ピロリ菌感染に対する臨床的有効性の解明
■演者名:
川田雅彦、中川光司、池上良成(赤穂化成株式会社 技術開発部)竹内啓晃、杉浦哲朗(高知大学医学部 病態情報診断学講座)
【調査概要】
モニター調査
■調査実施責任機関:赤穂化成株式会社 技術開発部
■調査共同実施機関:高知大学医学部 病態情報診断学講座
■調査内容
【研究時期】
2007年10月~2009年3月
【調査対象者】
下記選択基準を満たす14名(男性9名、女性5名)
(選択基準)
・インフォームドコンセントの得られた無症状の健康成人男女
・尿素呼気検査にて陽性(Δ13C>2.5%以上陽性)を示したピロリ菌感染者
【試験飲料】
ミネラル成分比の異なる調製海洋深層水5種類(A~E、硬度約1000 mg/L)
試験飲料のマグネシウム、カルシウム濃度および硬度 (mg/L)

【対照飲料】
市販の鉱泉水(硬度約30mg/L)
【飲水方法】
①被験飲料6種類(対照飲料と試験飲料5種類)につき1日1リットルを飲用
②10日間継続で飲水し、その前後で尿素呼気試験法により測定を実施
③10日間以上の休止期間を経て次の被験飲料を同様に飲用
【試験方法】
尿素呼気試験法※1を採用
※1 「尿素呼気試験法」呼気を専用パックに呼気を吹き込んで、溜められた呼気を調べる簡便かつ高精度な検査方法のこと。ピロリ菌の持つウレアーゼという酵素を利用し、呼気に含まれるCO2の量で、ピロリ菌の存在を確認する。
■調査結果
①対照飲料では14%で抑制効果が認められた一方で、試験飲料はミネラル成分比により結果が異なるが、それぞれ45%~64%でその効果が認められた(図1参照)
(図1:各試験飲料における奏効者の割合)
※奏効者・・・Δ13C値が飲用後に飲用前の7%以上低下した被験者
(図2:各試験飲料における奏効者の割合)

②奏功者における△13C値比較(図3) (単位:%)
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③5種類いずれかの試験飲料で被験者の92%がその効果を認めた。
以上の調査結果から、5種類の高ミネラル水(硬度1000)がヒトの体内でもピロリ菌に対し抗生物活性を有することが示唆された。


